こんにちは、皆さん！IR（統合型リゾート）の話題が出るたびに、ワクワクする気持ちと同時に、少し違った視点から日本のカジノシステムについて考えてしまう私です。
ラスベガスやマカオのような華やかなエンターテイメント施設が日本にもできる――想像するだけで夢が広がりますよね。しかし、日本のIRカジノには、世界では非常に珍しい、ある**「障壁」**が設けられています。
それは、日本人を含む国内居住者に義務付けられる**「カジノ入場料」**です。
「カジノは入場無料じゃないの？」と思われる方も多いでしょう。このブログでは、なぜ日本がこの独自の入場料システムを採用したのか、具体的な金額（6,000円の根拠）、そして世界のカジノと比較して何が違うのかを、詳しく掘り下げていきます。
1. なぜ日本はカジノ入場料を導入したのか？
私たちが海外のIRを訪れると、ほとんどの場合、カジノエリアへの入場は無料です。これは、入場者数を増やし、多くの人にリゾート全体を楽しんでもらうための戦略です。
しかし、日本が2016年に制定した「IR推進法」に基づき、カジノ解禁にあたって最も重視されたのが**「ギャンブル依存症対策」**でした。
依存症対策としての入場料
日本のカジノ入場料は、単なる収益源ではありません。それは、ギャンブル依存症の拡大を防ぐための、最も重要な抑止力として設計されました。
入場料の目的（リスト）：
気軽な入場の抑制: 「ちょっと立ち寄る」という衝動的な行動を抑制し、訪問者に経済的な心理的ハードルを設ける。
訪問頻度の制限: 高額な入場料を課すことで、経済的に無理のある頻繁な訪問を防ぐ。
収益の活用: 入場料から得られた収益を、依存症の研究や治療、啓発活動に充てる。
政府や専門家たちは、パチンコや競馬など国内にすでに多くのギャンブルが存在する状況を鑑み、新たなカジノ施設が依存症患者を増やさないよう、極めて厳格な姿勢をとりました。
2. 日本のカジノ入場料システム：6,000円の具体的なルール
では、日本のIRカジノがオープンした際、私たちはいくら、どのような頻度で支払う必要があるのでしょうか。
結論から言うと、日本国内に住所を持つ居住者は、1回あたり6,000円を支払う必要があります。
この金額は、日本の「カジノ管理委員会」によって厳密に定められています。
入場料の基本原則（テーブル1）
項目 詳細なルール
入場料（1回あたり） 6,000円
対象者 日本人および日本国内に居住する外国人（在留カード保持者など）
入場頻度の制限 7日間で3回まで、かつ24時間で1回まで
入場時必須の提示物 マイナンバーカード、運転免許証など本人確認書類
免除対象者 外国からの短期滞在旅行者（パスポート提示）
頻繁な訪問を確実に阻止
特筆すべきは、「24時間で1回」という制限と、「7日間で3回まで」という制限です。
つまり、週末に3日間連続でカジノに行きたいと思っても、それは不可能です。この制限を厳格に守るため、入場時にはマイナンバーカードなどで本人確認が徹底され、入場履歴がシステムで管理されます。
政府は、この入場料の設計について以下のような見解を示しています。
「この6,000円という金額は、単なる収益確保を目的としたものではありません。日本の生活水準や既存のギャンブルの状況を考慮した上で、依存症のリスクを最小限に抑えるための『敷居の高さ』として設定されました。これは、IRが経済効果を生む一方で、社会的な責任を果たすために不可欠な措置です。」 (政府関係者の審議会における発言より、内容を要約・引用)
3. 世界の主要IRカジノとの比較
私が様々なカジノを訪れて感じるのは、日本のシステムがいかに特殊かということです。世界では、カジノへの入場を規制する国はほとんどありません。
世界で入場料を課している代表的な国は、日本と同じく依存症対策を徹底しているシンガポールです。
世界の主要カジノ入場料（テーブル2）
国・都市 対象者 入場料（現地通貨） 日本円換算 (※) 特徴と目的
日本 (予定) 国内居住者 6,000円 約6,000円 依存症対策、入場頻度制限あり
シンガポール 国内居住者 S$150/回 または S$2,000/年 約17,000円/回 世界で最も厳しい規制。依存症対策。
ラスベガス (米国) 全員 無料 0円 観光客誘致、IR全体収益優先
マカオ (中国) 全員 無料 0円 観光客誘致、IR全体収益優先
韓国 外国人 無料 0円 観光客誘致（※自国民の入場は基本的に禁止）
※為替レートは変動します。
シンガポールモデルと日本の違い
シンガポールは、富裕層が多く、国民の所得水準が高いことを背景に、日本の倍以上、非常に高額な入場料を設定しています。これは、シンガポール政府がカジノを「観光客のための施設」と位置づけ、国民の利用を強く制限したい意図の表れです。
一方、日本の6,000円は、シンガポールほど高額ではないものの、入場頻度制限（24時間ルール）が非常に厳格である点が特徴です。
私は、日本のシステムが「高額すぎて利用を諦めさせる」というよりは、**「衝動的な利用を物理的に防ぐ」**ことに重点を置いていると感じています。これは、日本のギャンブル文化の歴史に基づいた、非常に慎重なアプローチだと言えるでしょう。
4. 私が考える入場料システムのメリットとデメリット
この独自の入場料システムについて、私自身の考えをまとめてみました。
メリット：社会的な信頼の確保
何よりも、入場料を課すことで、IR事業に対する社会的な信頼を得やすくなります。
ギャンブル依存症対策に真剣である姿勢を示せる。
入場料収入が、地域社会の福祉向上や観光振興に充てられる（予定）。
国際的なIR水準を達成しつつ、日本独自のきめ細やかな規制を導入できる。
デメリット：経済効果の限定と利用者の心理
一方で、経済効果の観点や、純粋にエンターテイメントを楽しみたい層にとっては障壁となる可能性があります。
新規利用者の躊躇: 「6,000円も払うならやめておこう」と、カジノ未経験者が足を運ぶのを諦める可能性がある。
富裕層以外の利用低迷: 高額な入場料と厳しい回数制限のため、結果的にカジノ市場の規模が小さくなる可能性がある。
地域経済への影響: IR施設外の周辺ホテルやレストランへの波及効果が、入場無料のIRを持つ国に比べて限定的になる懸念。
私は、この入場料が日本のカジノの未来を左右する試金石だと考えています。経済効果と社会貢献のバランスをどう取るか、今後の運営に注目していきたいですね。
5. FAQ：日本のカジノ入場料についてよくある質問
Q1: 外国人観光客は入場料を払う必要がありますか？
A1: いいえ、短期滞在の外国人観光客は入場料が免除されます。パスポートを提示することで無料で入場できます。この措置は、IRの本来の目的である「外国人観光客の誘致」を最大限に活かすためです。
Q2: 6,000円は入場料以外に何かサービスを受けられるのですか？
A2: 基本的に、この6,000円は「入場のための対価」であり、チップやドリンクなどのサービスと引き換えられるものではありません。あくまで依存症対策費用および入場制限費用として徴収されます。
Q3: 制限回数を超えて入場しようとするとどうなりますか？
A3: 入場時にマイナンバーカードなどで厳格な本人確認が行われるため、システムが制限回数超過を検知し、入場は拒否されます。虚偽の申告や不正な入場はできません。
Q4: 年間パスのようなものはありますか？
A4: シンガポールの年間入場料制度（約20万円）と類似した「月間/年間パス」の導入も議論されましたが、日本のIR法では、依存症対策の観点から「頻度制限」を重視するため、現在のところ年間パスの導入は予定されていません。
まとめにかえて
日本のカジノ入場料「6,000円ルール」は、世界でも類を見ない、極めて日本的なシステムです。
海外のカジノのように誰もが無料で楽しめる夢の空間、というよりは、社会的な責任を強く意識した「規制下のエンターテイメント施設」として設計されています。
私たち利用者は、この入場料を支払うことで、IRが生み出す経済効果だけでなく、ギャンブル依存症対策という社会貢献にも間接的に参加している、とも言えるでしょう。
カジノが実際にオープンしたとき、この入場料が私たちの行動や、日本のIRの成功にどのような影響を与えるのか。私は引き続き、その動向を追いかけていきたいと思います！