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  • 激動の街シアヌークビル:カジノの歴史、現状、そして未来を徹底解説

    こんにちは、旅好きの皆さん!世界の様々な場所を巡る中で、私が最も劇的な変化を目の当たりにした街の一つが、カンボジアの海辺の都市、シアヌークビル(Sihanoukville、愛称Snooky)です。

    かつては「バックパッカーの楽園」として知られたこのビーチタウンは、わずか数年の間に、高層ビルと巨大なカジノが乱立する「アジアのラスベガス」の雛形へと変貌しました。

    しかし、その発展は直線的ではありませんでした。オンラインギャンブルの禁止、そしてコロナ禍を経て、この街は今、大きな転換期を迎えています。今回は、私が実際に訪れ、肌で感じたシアヌークビルのカジノシーンの歴史、現状、そして旅行者が知っておくべき情報をすべてシェアします。

    1. シアヌークビル—黄金時代と突然のブレーキ

    私が初めてシアヌークビルを訪れたのは2015年頃。その頃の風景は、静かで穏やかなオトレスビーチ、小さなゲストハウス、そして地元の美味しいシーフード屋台が中心でした。カジノはいくつかありましたが、街の主役ではありませんでした。

    しかし、2017年から2019年にかけて、状況は一変します。中国からの巨大な投資が雪崩を打ち、街全体が文字通り「巨大な建設現場」と化しました。数え切れないほどのホテル、アパート、そしてカジノが、驚異的なスピードで建設され始めたのです。

    なぜ、これほどまでに発展したのか?

    この急速な発展の背景には、主に二つの要因がありました。

    地理的優位性: 中国南部からのアクセスが良い港湾都市であったこと。
    オンラインギャンブルのハブ化: 当時、シアヌークビルはオンラインギャンブル事業の拠点として機能しており、世界中の顧客をターゲットにしたコールセンターやオフィスがカジノ併設のビルに多数入居していました。

    街中にはネオンがきらめき、建設クレーンが空を覆い尽くし、カジノの数はピーク時には80軒を超えたと言われています。それはまさしく「黄金時代」の熱狂でした。

    突如として訪れた「ゲームチェンジ」

    しかし、この熱狂は2019年後半に突然のブレーキがかかります。カンボジア政府が**「オンラインギャンブルの全面禁止」**を発表したのです。

    この規制は、シアヌークビルにとって決定的な一撃となりました。多くの中国系企業が撤退し、街は一気に静まり返り、数多くの未完成の建物やゴーストタウン化したホテルが残されました。さらに、その直後のパンデミックが追い打ちをかけ、シアヌークビルのカジノブームは一時的に崩壊しました。

    2. 現在のシアヌークビル・カジノ事情:生き残った強者たち

    「カジノの街は終わったのか?」と問われれば、答えは「ノー」です。

    オンラインギャンブルは禁止されたものの、ランドベース(実際の店舗)のカジノ営業は合法であり続けています。現在、街の風景は依然として建設途絶の建物が目立ちますが、資本力のあるいくつかの大型統合型リゾート(IR)は生き残り、高級路線で営業を続けています。

    観光客としてカジノ体験を求めるなら、現在は質が重視されています。私が実際に体験した、特に注目すべきカジノをまとめてみました。

    カジノ名 (Casino Name) 規模 (Scale) 主なゲーム (Main Games) 特徴 (Feature)
    Jin Bei Casino & Hotel (金貝) 大 バカラ、ブラックジャック、ルーレット、スロット 街の中心部に位置し、比較的高層で目立つ存在。質の高い飲食施設も併設。
    Queenco Hotel & Casino 大 バカラ、ポーカー、スロット ビーチフロントに位置するリゾート型。家族連れにも適した美しいプライベートビーチを持つ。
    Prince Casino (太子) 中~大 バカラ、大小(Sic Bo) 新しい開発エリアにあり、モダンな内装が特徴。観光客向けサービスも充実。
    NagaWorld (将来) 計画中 (未定) プノンペンで成功したNagaCorpの進出計画。実現すれば街のランドマークとなる。
    雰囲気の違いについて

    私が感じたのは、プノンペンやマカオのような「喧騒」は薄まり、より落ち着いた、ハイローラー向けのプライベート感が増している点です。

    Jin Beiのような中心部のカジノは活気がありますが、Queencoのようなリゾート型では、ビーチを楽しんだ後に夕食がてら立ち寄る、というラグジュアリーな過ごし方が可能です。

    3. 混沌の中に光を見る:旅のヒントと注意点

    シアヌークビルを訪れる際は、過去の静かなビーチリゾートのイメージを一旦忘れ、「再開発途中の巨大都市」として捉えることが重要です。

    予算とゲームの選び方

    カンボジアのカジノは主に米ドル(USD)で取引されます。小額から楽しめますが、テーブルゲームのミニマムベットはマカオなどに比べると比較的低めに設定されていることが多いです。

    私が皆さんにシェアしたいアドバイス:

    バカラが主流: アジア圏のカジノであるため、最も人気があり、テーブル数が多いのは「バカラ」です。
    ドレスコードは緩め: ほとんどの場所では、カジュアルすぎなければ問題ありませんが、ビーチサンダルやタンクトップは避けた方が無難です。
    飲食物はサービス: 多くのカジノでは、プレイヤーに対して無料でドリンク(ソフトドリンク、ビール、時には軽食)が提供されます。
    シアヌークビル再開発への期待

    現在、カンボジア政府はカジノ依存からの脱却を目指し、シアヌークビルを物流ハブ、観光モデル都市として再定義しようと動いています。

    ある地元の観光関係者は、私にこう語ってくれました。

    「シアヌークビルは今、巨大な建設現場のようです。多くの建物が途中で止まってしまっていますが、これがカンボジアのエネルギーなんです。この混沌を乗り越えれば、きっと我々はより洗練された国際的なリゾート都市へと生まれ変わります。」

    私も、この街から目が離せません。

    4. カジノ以外で楽しむべきこと(リスト)

    ギャンブルに興味がない人や休憩したい時のために、シアヌークビルでのカジノ以外の楽しみ方もご紹介します。この街の魅力は、美しい離島への玄関口であることです。

    リゾート体験以外で楽しむべきこと:
    オトレスビーチ (Otres Beach)でのリラックス: 街の中心部から少し離れており、比較的静かで美しいビーチです。サンセットは必見。
    島への日帰り旅行または宿泊: 有名なコ・ロン島(Koh Rong)や、より静かなコ・ロン・サンレム島(Koh Rong Samloem)へはフェリーですぐ。透明度の高い海でのシュノーケリングやダイビングが楽しめます。
    シーフード市場でのグルメ体験: 新鮮な魚介類が安く手に入ります。その場で調理してもらうスタイルは旅の醍醐味です。
    独立記念碑 (Victory Monument) の見学: 街の歴史的なランドマークの一つです。
    5. シアヌークビル・カジノ旅行 FAQ

    訪問前に皆さんが抱くであろう疑問をQ&A形式でまとめました。

    Q1: シアヌークビルのカジノは安全ですか?

    A: 大手の統合型リゾート内のカジノは、セキュリティがしっかりしており、比較的安全です。ただし、街全体としては、観光客を狙った軽犯罪(スリ、ひったくり)のリスクは他のアジアの都市と同様にあります。夜間の移動、特に未完成の建物が多いエリアは避けるようにしてください。

    Q2: 支払いや換金はどうすれば良いですか?

    A: カンボジアでは米ドル(USD)が広く使われています。カジノ内も基本的にドルでのチップ交換となります。カジノや大きなホテルにはATMがありますが、手数料がかかることが多いです。少額のリエル(KHR)はチップや屋台での支払い用に持っておくと便利です。

    Q3: 日本語対応はありますか?

    A: 大型カジノのVIPルームやゲストサービスデスクでは、英語や中国語の対応が中心ですが、最近は観光客の多様化に伴い、日本語ができるスタッフや、日本語表記の案内が増えている施設もあります。ただ、基本的には英語でのコミュニケーションを準備しておくと安心です。

    Q4: ギャンブル以外で滞在を楽しむには?

    A: シアヌークビルは、前述したようにコ・ロン諸島へのハブとして最適です。カジノでの一夜の興奮と、離島での穏やかなリゾート滞在を組み合わせるのが、最も充実した旅のスタイルだと私は思います。

    まとめ

    シアヌークビルは今、劇的な過去を持つ、未来志向の街です。カジノはその主要なエンジンであり続けていますが、過去の熱狂とは異なり、現在はより持続可能で質の高いリゾート開発へと移行しようとしています。

    もしあなたが、アジアの激しい変化を肌で感じたい、またはカジノとリゾートの新しい融合を体験したいなら、今のシアヌークビルは間違いなく面白い目的地の一つです。次回カンボジアを訪れる際は、この「激動の街」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。