私もかつて、このシンプルな「倍賭け」の魅力に取り憑かれた一人です。しかし、夢を追いかけた先で気づいたのは、マーチンゲール法は「禁止されている」のではなく、「実質的に不可能になる仕組み」が存在するということです。
今回は、私が経験を通して学んだ「マーチンゲール法 禁止」の真実と、なぜこの戦略があなたの資金を文字通り溶かしてしまうのかを、親しみやすいトーンで徹底解説します。
資金を溶かす前に知るべき真実:「マーチンゲール法 禁止」の背景
1. 初めに:マーチンゲール法とは?
マーチンゲール法(Martingale Strategy)は、18世紀のフランスで生まれたとされ、最も古典的で有名なベッティング手法です。その原理は極めてシンプルです。
【原則】 負けた場合、次回の賭け金を前回の倍にする。勝つまでこれを繰り返す。
一度でも勝てば、それまでの損失を全て取り返し、最初の賭け金分の利益が確定します。
例えば、最初に1,000円を賭けて始めた場合:
負け (累積損失 ¥1,000) → 次回 ¥2,000
負け (累積損失 ¥3,000) → 次回 ¥4,000
勝ち (獲得 ¥8,000) → 累積損失 ¥3,000 + 賭け金 ¥4,000 = ¥7,000。利益は ¥8,000 – ¥7,000 = ¥1,000。
理論上、「いつかは勝つ」という確率に基づいているため、資金が無限にあれば、負けることはありません。しかし、ここに落とし穴があります。
2. 「禁止」の正体は「テーブルリミット(最大賭け金制限)」
オンラインカジノやブックメーカー、またはFX業者が、マーチンゲール法を「利用規約で明示的に禁止」しているケースは非常に稀です(自動売買システムのように他者へ迷惑をかける行為は別ですが)。
では、なぜ「マーチンゲール法は使えない」「禁止されているのと同じ」と言われるのでしょうか?
その理由は、**プラットフォーム側が設定する「テーブルリミット(最大ベット額)」**にあります。
プラットフォームは、無限に利益を出されることを防ぐため、また、システム全体の流動性を保つために、最低賭け金と最大賭け金を設定しています。
例えば、最低賭け金が100円、最大賭け金が50万円のルーレットでマーチンゲール法を使おうとするとどうなるか、考えてみましょう。
連敗回数 (Loss Streak) 前回賭け金 (Previous Bet) 累計損失 (Cumulative Loss) 次回賭け金 (Next Bet)
1回目 ¥100 ¥100 ¥200
5回目 ¥1,600 ¥3,100 ¥3,200
10回目 ¥51,200 ¥102,300 ¥102,400
12回目 ¥204,800 ¥409,500 ¥409,600
13回目 ¥409,600 ¥819,100 ¥819,200
ご覧の通り、わずか12連敗までは耐えられますが、13回目の賭け金は819,200円となり、テーブルリミットの50万円を大幅に超えてしまいます。
この時点で、あなたは**「損失の全額(409,500円)を取り戻すためのベット」ができなくなり**、マーチンゲール法は崩壊します。
これが、マーチンゲール法が「禁止されていなくても機能しない」最大の理由です。
【専門家の声】 「マーチンゲール法は理論上は完璧ですが、現実の資金とカジノの制限という二つの壁に必ずぶつかります。連敗確率は低いものの、ひとたび発生すれば、たった一度の連敗でそれまでの利益全てと、さらに大半の資金を失うことになる。これはもはやギャンブルではなく、『いつか破綻する』という設計上の欠陥を内包した戦略です。」
3. マーチンゲール法の致命的なリスク:キャピタルの爆発的消費
「いや、私はそんなに連敗しない自信がある」と思われるかもしれません。しかし、確率の世界はシビアです。
勝率50%のゲーム(ルーレットの赤黒など)で、たった10連敗する確率は約0.097%です。これは1,000回に1回程度しか起こらないように見えますが、試行回数が増えれば必ず発生します。
そして連敗が来たとき、マーチンゲール法は他の戦略とは比較にならないほどのスピードで資金を食い尽くします。
投資額 (初回¥1,000) 賭け金累計 必要な資金(対数) 精神的負荷
1回目 ¥1,000 低 低
5回目 ¥31,000 中 中
8回目 ¥255,000 高 限界点
10回目 ¥1,023,000 爆発的 破滅的
問題点:得られる利益は常に一定
マーチンゲール法の最大の問題は、たとえ10連敗を乗り越えて11回目に勝ったとしても、得られる利益は最初の賭け金(¥1,000)のままだということです。
100万円以上をリスクに晒して、手に入るのが1,000円。この圧倒的なリスクリターン比率の悪さが、この戦略を実質的な「禁止」状態に追い込んでいるのです。
マーチンゲール法を使えないなら、どうする?
リスク管理を無視したマーチンゲール法から卒業し、賢く資金を運用するためには、より緩やかで持続可能な戦略に切り替える必要があります。
私がおすすめする代替戦略は、資金の爆発的な増加を防ぎつつ、機会を伺うものです。
私が推奨する代替ベッティング戦略
1. パーレイ法(逆マーチンゲール法)
特徴: 勝った時に賭け金を倍にする(利益を再投資)。負けた時に賭け金をリセットする。 メリット: 損失が常に初回の賭け金に限定されるため、リスク管理が容易。連勝時に一気に利益を伸ばせる。
2. ダランベール法(ピラミッド法)
特徴: 負けた場合、単位額(例:100円)を足す。勝った場合、単位額を引く。 メリット: 賭け金の増減がマーチンゲール法より遥かに緩やか。連敗が続いても資金の消耗が緩慢。
3. ココモ法
特徴: 3倍配当のゲームで有効。負けた場合、次回の賭け金を「前回」と「前々回」の賭け金の合計にする。 メリット: 回復力が高いが、マーチンゲール法のように爆発的な資金が必要とならない。
まとめ:資金を守るための戦略
マーチンゲール法を使わずに利益を追求するために最も重要なことは「資金管理」です。
資金を安全に運用するためのチェックリスト (MUST DO)
損失許容額の設定: 投資に使える総額のうち、最大どこまで失っても生活に支障がないかを明確にする。
単発のリスク率の制限: 1回の取引(ベット)で失う金額を、総資金の1〜2%に厳しく制限する。
短期的な目標設定: 「〇連勝したら撤退する」「〇万円の利益が出たらその日は終了」といった撤退基準を設ける。
感情の排除: 連敗したときに感情的になり、単位額を勝手に増やさない。
よくある質問(FAQ)
Q1: マーチンゲール法が許されているゲームはありますか?
理論上は全てのゲームで使えますが、テーブルリミット(最大ベット額)がない、あるいは極めて高いVIP専用テーブルなどでなければ、実質的に利用は不可能です。また、FXやバイナリーオプションでは、証拠金維持率や強制ロスカットの概念があるため、カジノ以上に連敗時のリスクは高まります。
Q2: 私は少額でしか使いません。それでも危険ですか?
はい、危険です。スタート金額が少額でも、連敗が発生すれば資金はあっという間に底を尽きます。マーチンゲール法の危険性は、スタート金額の大小ではなく、**「連敗時の賭け金の増加率」**にあります。100円スタートでも、1,000円スタートでも、資金が無限でない限り破綻は避けられません。
Q3: 資金を分割して使えばリスクを分散できますか?
資金を分散させても、それは試行回数を増やしているだけであり、連敗する確率は変わりません。資金プール全体で見た場合、損失が分散されるわけではなく、むしろ複数のテーブルで同時に連敗するリスクを負うことになります。
Q4: マーチンゲール法はなぜ「禁止」という噂が広まったのでしょうか?
利用者がテーブルリミットによって強制的に戦略を中断させられ、大敗する経験が多発したためです。「勝てない=禁止されているに違いない」という構造が生まれ、広まりました。実際はプラットフォーム側のリスク管理によって、利用者が自滅するように仕組まれています。
最後に
マーチンゲール法は、一見すると魅力的で、まるで金融の錬金術のように見えます。しかし、無限の資金と無限のテーブルリミットという非現実的な条件がなければ、絶対に機能しない戦略です。
私がこのブログで伝えたかったことは一つ。もしあなたが利益を継続的に出し、市場やギャンブルの世界で生き残りたいと願うのならば、リスクを管理し、資金をゆっくりと、しかし着実に成長させる手法を選ぶべきだということです。
「禁止」の真実を知った今、どうか安全な道を選び、あなたの大切な資金を守ってくださいね。